【薬剤師アンケート結果公表】コロナ禍の仕事・キャリアへの影響

topic_03_a_ogp.jpg世界経済に大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症は、薬剤師の仕事や働きかたにどのような変化をもたらしているのでしょうか。約100名の薬剤師にアンケートを実施しました。本記事ではその回答結果を公表します。薬剤師がいま何を思い、どう動いているのか、今後の参考にしていただければ幸いです。

※アンケート実施概要
調査時期:2020年4月上旬
有効回答数:109名

薬剤師の8割以上が「影響がある(これからある)」と回答

今回のアンケートでは「新型コロナウイルスによる、仕事・キャリアへの影響」について聞きました。109名の薬剤師から回答をいただき、結果は以下のようになりました。
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上記のとおり、「すでに影響があった」または「これから影響があると思う」という意見が8割を超えています。ただし、どのような影響か理由については回答者によって様々でした。以降ではその一部をご紹介します。まずは仕事・キャリアに「すでに影響がある」と回答した人の意見から見ていきます。


「すでに影響がある」の回答理由は?(一部抜粋

  • 処方箋枚数が減り、売上が減り、勤務時間の調整が起き、オンライン服薬指導をはじめた(調剤薬局・正社員)
  • 長期処方で来局数が減り、FAX処方で通常より手間がかかる(調剤薬局・パート)
  • 手指消毒の確保に時間を取られ、院内発生した時のマニュアル作り等対応する事案が増えた(病院・正社員)
  • パートのシフトを減らして、売上のマイナスを少しでもリカバーするようにと社長から命令があった(調剤薬局・正社員)
  • 住宅街に勤務しているが、電話受診後のFAX処方が可能となってから新規の患者が増えた。門前でなく自宅最寄りの薬局で調剤を受けた方が、利便性が高いという認識も高まっている感じがする(調剤ありOTC・パート)
  • 学会や勉強会に制限がかかった(病院・正社員)

回答理由として最も多かったのは「患者数・処方箋枚数・業務量が減った」でした。これは多くの調剤薬局勤務の回答者に共通していました。次いで多かったのが「勤務先の売上減少・収益悪化がはじまった」という回答でした。一方で、立地や地域特性により「FAX処方が増え新規患者数が増えた」と回答した人もいました。病院勤務薬剤師の多くは、「感染症対策によって通常業務以外の業務が増えた」と回答したことが特徴的でした。

「これから影響があると思う」の回答理由は?(一部抜粋)

  • 全体の売上が落ちているため、賞与が出ないかもしれない(調剤薬局・正社員)
  • 今年の昇給が見送られる可能性がある(調剤薬局・正社員)
  • 充分な医療装備品も無く、感染した場合薬局閉鎖・退職を余儀なくされる恐れがある(調剤薬局・正社員)
  • 勤務時間や業務体制に影響が出てきそうだから(調剤薬局・パート)
  • 感染者対応のために人が割かれるため、普段の仕事に影響がでる(病院・正社員)
  • 電話診療による調剤について不透明な問題が多すぎ、現場によって混乱が生じるのが明白なため(調剤薬局・パート)

回答理由として最も多かったのは、「今後の収入(給与・賞与)の減少」を予想したものでした。次いで多かったのが、勤務先の厳しい経営状態がこの先も続くことや職員に罹患者が出ることによる「閉局の可能性」「リストラ・人員削減」を予想する厳しい意見が多数を占めました。

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「影響はない」の回答理由は?(一部抜粋)

  • 患者数の減少や感染対策はあるが、仕事としてやることに変わりはないから(調剤薬局・正社員)
  • 職場での罹患者は出ていないので、影響はない(調剤薬局・正社員)
  • 医療機関は営業するし、現在の担当科目について影響はない(調剤薬局・派遣)

回答理由として最も多かったのは、「薬剤師としての行うべき仕事に変わりはない」というものでした。環境変化は起こっているものの、エッセンシャル・ワーカーとして責務を全うする意志を感じるコメントが多かったのが特徴的でした。中には「派遣業の場合、求人が減少するのは診療報酬改定の方。感染症により従事者の補填が必要となるケースも出てくるかもしれずプラス影響に働くかもしれない」(調剤薬局・派遣)といった意見もありました。

診療報酬改定と重なり、これからの不安が大きい

今回のアンケートでは 、新型コロナウイルスの影響で、仕事・キャリアに不安を抱えはじめている薬剤師が多数であることが分かりました。特に、収入減や雇用不安定化は、緊急事態宣言が解除された後に実態となって反映する可能性があります。

2020年4月の診療報酬改定の時期が重なったことも、変化に拍車をかける要因になったようです。薬剤師として生き残っていくためには、知識やコミュニケーション力に加え、「あらゆる変化に柔軟に対処できる対応力」が求められる時代になったと言えるかもしれません。