薬局経営者必見 激変の薬剤師転職マーケットで、シニア薬剤師に注目!

column_10_a_ogp.jpgコロナ禍の受診控えで悪化する経営環境

3度目の緊急事態宣言が発出され、まだまだ出口の見えない新型コロナウイルスの収束。病院やクリニックでは、感染を恐れ受診控えの患者さんが増加したため、調剤薬局の社会保険診療報酬支払基金に支払申請のあった処方箋数が激減しています。

コロナ前の2020年1月では支払報酬確定件数3194.8万件・支払報酬確定金額2008.9億円でしたが、コロナ禍の2021年1月では2671.6万件(523.2万件減)・1919.5億円(89.4億円減)と前年より件数・金額ともに大幅に減少しており、その影響は深刻です。(※表参照)

調剤薬局の報酬確定件数および支払い報酬確定金額
  支払報酬確定
件数
支払報酬確定
金額
2020年1月 3194.8万件 2008.9億円
2020年7月 2861.8万件 1982.5億円
2020年12月 3052.3万件 2176.9億円
2021年1月 2671.6万件 1919.5億円

(出典元:社会保険診療報酬支払基金)

乖離する年収提示額と現役薬剤師の相場感

column_10_c.jpg薬局の経営環境悪化は、求人募集にも顕著に現れており、コロナ前であれば首都圏では600万~700万円を超える年収を提示する薬局もごく普通にありましたが、いまや450万~550万円程度と大きく減少し、これまでの給与の相場感と現実の乖離が大きく進んでいる状況にあります

加えて、薬剤師の充足傾向が特に強い首都圏では採用数が限られてしまうため、採用の基準も高くなっています。提示できる年収の面からも、若い人が好まれる傾向にありますが、いくら年齢層がマッチしていても以前のように「国家資格さえあれば細かい面接などをせずともすぐに入職できる」ということは難しく、面接では目指すキャリア像やキャリアプランなど仕事への価値観や人間性など深い内容の質問がなされ、採用へのハードルは高くなっているのが現実です。

提示できる年収と採用する年代(キャリア)は、「若い人を採用し長く働いてもらいたい」という求人が多く、50代・60代のシニア層は年収面・採用枠はさらに厳しい状況となっています。特に首都圏では以前のような高年収が期待できる募集は激減しており、患者さんの通院意識の変化やコロナ対応で一気に加速したIT化への転換から考えると、年代に関わらず以前通りの年収提示・採用枠が復活するかは不透明であると言わざるをえません。このような現状を理解し受け入れていくことも必要です。

シニア層に注目、その採用価値は? 

薬局経営者がこの難局を乗り切るために、この状況下であるからこそ50代・60代のシニア層を採用するという考え方も有効となるかもしれません。

シニア層の強みはなんといっても薬剤の知識が豊富であり、クレームにも柔軟に対応できる経験値の高さが挙げられます。在宅訪問薬剤管理指導やビデオ通話での服薬指導、他職種との連携など、高い専門性やコミュニケーションスキルを持った薬剤師が求められる今、シニア層は大いに期待できる存在です。

column_10_b.jpg

また勤務についてスケジュール管理面から考えてみれば、子育て等が一段落し、勤怠予定が立てやすいというのもメリットです。20代30代の子育て層の突発的なスケジュール変更や時間的制約にも臨機応変に対応できるなど、安定的運営に貢献できるでしょう。多様なワークスタイルの受け入れることは、すなわちダイバーシティの実現となります。

経営面では、退職金などの積立負担が少ないことがメリットと捉えることができます。また、シニア受け入れによる公的な助成金受給の可能性もあります。



ウィズコロナ、アフターコロナに向け、各年代の特性を生かすこと、特にシニア層を採用する価値に目を向けてみてはいかがでしょうか。