【見切る薬局、残る薬局、行くべき薬局とは】2020年調剤報酬改定後の展望

2020年 調剤報酬改定と薬剤師転職への影響

人間関係や年収への不満など、薬剤師が転職を考え始める理由は様々ですが、薬局の経営変化が転職のきっかけとなることも多々あります。その経営に最も大きなインパクトを与えるのが調剤報酬の改定です。2020年度調剤報酬改定の影響から見て、
『見切る薬局』
『残る薬局』『転職先候補となる薬局』とはどんな薬局でしょうか。

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調剤基本料の改定からみると経営に最も大きな影響を受けそうな薬局は、診療所の敷地内薬局です。今回の改定で特別調剤基本料(9点)の対象となる敷地内薬局が病院から診療所にも拡大されます。数はそれほど多くはありませんが、これに該当すると、今まで調剤基本料1(42点)だった薬局は何とマイナス33点となり、これまで高い利益率を誇った門前薬局に冬の時代が到来することになります。

次に影響度が大きいのが調剤基本料1から2(26点)へ移行する薬局です。今回の改定で今まで調剤基本料1だった薬局の中で個店の場合、受付回数1800回超(大型チェーンは3万5000回超)、集中率95%超は調剤基本料2に移行します。これにより調剤基本料は16点ものマイナスになります。さらに調剤基本料1から外れると地域支援体制加算の算定も一気に難しくなるため減収幅は非常に大きくなります。

上記に該当するような門前薬局は今後、閉店やM&Aなど事業そのものをどうするかという局面に立たされる結果、薬剤師としては「見切る薬局」としてよく考えるべき対象となっていくでしょう。とはいえ、全体から見ればそれほど多くの薬剤師が影響を受けるわけではないと思われます。

次に、調剤料の改定の影響を大きく受けるのはどんな薬局でしょうか。今回の改定で調剤料が大きく減ってしまうのが、診療所からの処方箋を多く応需し、14日処方が主となっている場合です。基本料1は取れても、例えば14日分の処方では改定で調剤料は8点のマイナスとなり、調剤料が大きく減少してしまいます。

このような薬局は、まさに対物から対人への薬局変革を行い、在宅医療やプライマリケアに取り組んでいく必要があります。貴方の薬局がこうした店舗であった場合、次の一手を打っているのかどうかを良く見極める必要があります。これを機会に積極的に新たな展開に取り組んでいれば残留もありかもしれませんが、経営が何の対策も打っていないと感じられたら、やはり「見切る薬局」の候補となってしまうでしょう。

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今回の改定では上記のような引き下げの一方、対人業務では3つの点数が、オンライン服薬指導では2つの点数が新設されます。また、かかりつけ薬剤師指導料では点数引き上げが予定されており、ほかにも医療機関と薬局との連携を推進する加算などもあります。

転職先を探す場合もこうした方向性、すなわち「患者のための薬局ビジョン」に沿った経営戦略がとられている薬局・企業なのかを十分見定めることが大事になってくるといえるでしょう。