進む再編、問われる薬局経営戦略

2020年の診療報酬改定で調剤料引き下げ

2019年6月11日付の日本経済新聞に、政府の施策により薬局再編、構造転換が図られていくという内容の記事が掲載されました。

この記事によると、政府は、年末の予算編成に向けた「骨太の方針」で薬局の報酬の大胆な適正化を謳っており、それによる薬局の再編を進めようとしています。具体的には、2020年度の診療報酬改定で調剤料を引き下げ、その一方で服薬指導や在宅への取り組みなどを評価する薬学管理料を上げることが検討されそうです。

全国の調剤薬局は約6万店といわれ、コンビニを凌駕する店舗数ですが、その約半分は薬剤師2人以下の小規模店です。こうした小規模店では調剤業務に偏りやすく、調剤料の引き下げは経営に大きなインパクトを与えます。column_03_a_ogp.jpg

大手に有利な政策変更

こうした政策の裏には、入院から在宅医療への転換による医療費の引き下げという政府の目論見があります。薬を渡すだけの小規模店を減らして、ある程度規模がある薬局に再編し在宅医療を推進する狙いです。具体的には、個人薬局が多い門前薬局を減らし、大手・中堅の調剤薬局やドラッグストアの調剤薬局部門を増やすというシナリオです。

在宅医療や土・日営業は薬剤師の人数などで規模が大きい店に有利ですし、0402通知も薬剤師以外の店員が多いドラッグストアに有利です。薬局のICT化や人材獲得などの投資も企業としての一定の規模が必要になってきます。大手に有利な政策変更で個人薬局は厳しい時代を迎えそうです。

経営戦略が問われる時代

column_03_b.jpg状況変化に対応して各調剤薬局も今後の戦略を変更し始めています。出店については、マンツーマン型より複数クリニックとの連携が見込める店舗を優先したり、在宅医療専門店を立ち上げていったりなど戦略に変化が見られます。出店以外でも、仕入れコストの低減、派遣の見直しや事務の活用による人件費コスト削減など様々な打ち手を実行していかなければなりません。

大手ドラッグストアのマツモトキヨシHDとココカラファインの統合による売上高1兆円を超えるメガドラッグの誕生が話題になっています。すでに米国では大手がウォルグリーンとCVSの2大勢力に集約されているように、ドラッグストア業界の再編はさらに進むでしょう。

調剤薬局も、M&Aによる薬局再編がさらに進むことが考えられ、経営戦略が問われる時代になってきました。

これから就職・転職を考える薬剤師も「企業としての薬局経営」をよく見定める必要があるといえるでしょう