採用計画調査にみる薬剤師の求人状況|統計・調査

column_01_a_0gp.jpg大手の新卒採用は争奪戦

日本経済新聞社では毎年、主要企業を対象に採用計画調査を行っています。2019年4月22日に発表された最終集計によると、2020年春の新卒採用は全体で7.2%増加の16万8756人(1692社)でした。この中で、調剤薬局最大手のアイングループの新卒採用は19年春に比べ266人増の800人。ドラッグストアでは、ツルハグループが同200人増の1100人、スギ薬局が206人増で800人の採用を計画しています。いずれも出店の拡大に伴い、薬剤師を積極的に採用していく方針で、スギ薬局は前年比7割増の500人もの薬剤師採用を目指しています。他の企業もおしなべて積極採用を進めており、新卒採用は争奪戦の様相を見せています。特にドラッグストア各社は高初任給を提示し、薬学生からも人気業種になってきています。

高い薬剤師の有効求人倍率

一方、19年度の主要企業の中途採用計画数は、同調査によると6万6763人で、前年比12.7%の大幅増となっています。前年増は、10年連続となっており全体的な人手不足を反映しています。

この中で薬剤師の中途採用はどうなっているでしょう。毎月、厚生労働省が発表する有効求人倍率をみると、5月に発表された4月のパートを除く「医師・薬剤師等」の有効求人倍率は、4.86倍で、ひところよりは下がったとはいえ、全体の1.38倍に比べ依然として非常に高い数値となっています。

人気路線沿線は充足感も

さらに、求人倍率を地域別に見てみると大きな差があることが分かってきます。例えば、東京都の医師・薬剤師等の4月の求人倍率は5.49倍と全国計に比べて高くなっていますが、23区だけでみると4.22倍と全国計より低いことが分かります。これに対して同じ東京都多摩地区の求人倍率は9.37倍と非常に高くなっています。

column_01_b.jpgこのように、都心の薬局の薬剤師は充足気味で、郊外や周辺の県では人手が不足しているという傾向がでています。神奈川県では、人気路線の東急東横線や田園都市線沿線では充足気味ですが、県央以西ではまだまだ不足している状態です。千葉県でも、総武線や京葉線、東西線沿線で都心に近い地域では応募も十分ありますが、外房へいくと薬剤師確保に苦労する傾向にあります。埼玉県も東京のベッドタウンである南部では薬剤師は比較的充足していますが、北部はまだまだ薬剤師不足となっています。

こうした、需給バランスの違いにより中途採用の薬剤師の年収にも影響が出ています。