【エージェントの利用価値】薬剤師の使命を思い起こし決断した転職|事例(6) 

転職エージェントの仕事は、求職者と求人側のニーズをマッチングして最適な転職をサポートすることです。しかし、それは単に条件を突き合わせて調整することだけではありません。条件以前の問題として、転職希望者が本当は何をしたいのか(何ができると幸せなのか)、将来どんなキャリアを積み重ねていきたいのかといった、もっと根本的なことを一緒に話し合うことが必要とされる場合もあります。今回のサポート事例に登場していただくFさん(31歳・女性)は、まさにそのケースです。

≪Fさんの転職動機≫

Fさんとの面談で最初にお伺いしたのは、なぜ転職しようと思ったのかということです。多くの場合、年収のアップや職場での人間関係の問題、結婚や育児、転居など自身の生活における環境の変化、場合によっては勤務する薬局の経営問題といったような具体的な解決すべき課題がそこにはあります。ところが、Fさんの口から出たのは「もっと成長したい!やりがいがほしい!忙しい環境がいい!」という、前向きではあるが幾分「青い鳥症候群」的な感じのするお話でした。

実際に、成長できそう、忙しそうという観点から医療モールで幅広い診療科目の処方箋を扱い、枚数も多い薬局の面接をうけてみたものの、単に広く浅くさばいているだけの印象で本人はどうもしっくりきませんでした。

そもそもFさんはどう成長したいのか、Fさんにとってのやりがいとは何なのか、忙しい環境とはどういう状態をさすのか。エージェントからするとここは深堀して、自分自身を見つめなおしていただかないと迷路に入ってしまう典型例だと感じました。

そこで、面接を受けた後、担当エージェントは改めて、今までどんな時にやりがいを感じていたか?薬剤師になって良かったことは何だったか?仕事が楽しかった時はどんな時だったか?ということをじっくり伺うことにしました。

お話を伺う中で、以前、抗がん剤の担当になり、一生懸命勉強して患者さんの役に立てたことや、他のメンバーに新しい知見を共有してとても喜ばれたりして嬉しかったことなどが引き出されてきました。このことから、自分にとっての成長、やりがいとは患者さんに深く関わり、そのために深く勉強して、それを周囲に広げていくことだと実感することができたのです。

≪Fさんへのオファー≫

case_06_ogp.jpg上記を確認した結果、担当エージェントはFさんにCグループ薬局を提案しました。Cグループ薬局は、総合病院門前ということで抗がん剤など命にかかわる重めの処方箋を扱うことも多い薬局です。さらに、新卒を定期採用しており、若い薬剤師も多いことから、薬局側からもFさんの知識の共有など若手指導に期待を持たれました。自分自身の気持ちをエージェントとの話し合いの中で整理し、実感できていたFさんは、今度は何の迷いもなく決断をすることができたのです。





≪コンサルタント解説≫

私たち転職エージェントには、何のために介在するのかということが常に問われています。今回のケースは、最初は漠然としていた本人の希望、やりたいこと、方向性を伴走しながら整理し明確にできたこと、本人にとっての本当のやりがいを自ら気づいていただくサポートできたことが、最良の転職先選びに結び付けられたという意味で、エージェントの介在価値を発揮することができたのでは感じています。